〜公演に寄せて〜 大嶋 博之 様

~公演に寄せて~

ミュージカル しあわせのタネ 山形公演に向けて、各方面の皆様からのメッセージをご紹介します✨

村山総合支庁産業経済部農業技術普及課専門普及指導員(蔵王かぼちゃ担当)
元山形県園芸試験場野菜花き部長(研究主幹)
元置賜総合支庁産地研究室長
大嶋 博之 様

在来作物を考えるとき、人は得てして遺伝的な形質を評価しようとしますが、私はそれだけでは片手落ちだと思うのです。

タネを守り続けてきた地域の人達が、それぞれ採種という技術により遺伝形質を純化させる一方で、食べ方や料理方法を工夫することによって、その土地にとってなくてはならない作物になっていったのですから、実は「地域」そのものが在来作物の本体なのだと思います。

蔵王かぼちゃはとても美味しいかぼちゃですが、おそらく他の在来作物同様、遺伝資源として珍しいわけではありません。明治期に導入された同様の米国由来の品種が、日本の高温多湿な環境に適応できず消滅する中、偶然(=必然)この土地と人たちに出会い、現代まで生き残った小さな奇跡です。

今では栽培環境も随分変わってしまいました。昨今の酷暑やゲリラ豪雨は山間部の栽培にも悪影響を及ぼしています。また、少なくとも数十年前は水田(米を作る貴重な土地だが湿地なので畑作物は作りにくい)でかぼちゃを作ることはなかったと思います。

それでも、何度も消滅の危機にさらされながら、今も栽培され続け、ミュージカルの題材にまでなるのですから、こうみえて結構しぶとい品種なのかもしれません。

これからも色々な困難や不運に出会いながら、ふと振り向くと「ところがどっこい生きてます!」みたいなノリで、末永く地域に愛されて生き延びていくことを心より期待しております。

村山地域の農産物・直売所情報「村山旬の市」▽
https://www.murayama-shun.com

===ミュージカル しあわせのタネ 山形公演 ===
特設ページ → https://gozzo-y.com/shiawasenotane
FBイベントページ → https://www.facebook.com/events/778007139866480/